D2C企業の物流革命！ 事業拡大を支える「法人向け小口配送」システム徹底解説 | 株式会社関根エンタープライズ

近年、自社ブランドの世界観を顧客に直接届けるD2C（Direct to Consumer）ビジネスが急速に拡大しています。しかしD2Cビジネスは、いくら素晴らしい商品とマーケティング戦略があってもそれだけでは成功しません。商品の魅力やマーケティングと同じくらい重要視されている要素が「物流」です。本記事では、D2C企業の物流課題を解決し、事業拡大を力強く支える「法人向け小口配送システム」について、その必要性やメリット、そして失敗しないパートナー選びのポイントを徹底解説します。

 

D2C成功の鍵は「配送」にあり　初期企業が抱える物流の壁

メーカーが直接消費者に商品を届ける「D2C」市場において、「物流」は非常に重要です。D2Cでは商品が顧客の手に渡る瞬間、つまり「配送」そのものがブランド体験（CX：Customer Experience）の一部になるからです。どれだけ素晴らしい商品でも配送が遅れたり、梱包が雑だったりすれば、顧客の信頼は大きく損なわれます。「配送」は単なるモノの移動ではなく、顧客が商品を受け取る「最後の接点」で、ブランド体験を決定づける重要な要素なのです。だからこそ、配送課題をどう解決するかがD2Cビジネスの成功を左右すると言っても過言ではありません。

D2C事業の初期フェーズでは、さまざまな物流の壁に直面します。

「小ロット多品種の商品で、配送コストが高すぎて利益を圧迫している」
「ブランドイメージを守るための梱包や同梱物対応に社内リソースが割かれてしまう」
「急なメディア露出やプロモーション時の大量受注に、既存の配送体制では追いつかない」

これらの壁は、製造者が直接最終消費者に商品を届けるD2C事業特有の課題です。D2Cビジネスを成功させるには、一般的なBtoBや従来のEC（小売業者が運営するECサイトなど）とは異なる「小口配送」特有の課題を解決する必要があります。

 

D2C特有の「小口配送」　宅配便との違いと事業への影響

D2Cにおける配送の特性に対して、求められるポイントは次の通りです。

特性	D2C小口配送に求められること
少量・多品種	SKU（在庫管理単位）が多いため、正確なピッキングと在庫管理システムが必須。
多頻度・迅速性	顧客からの注文後、即日～翌日の発送が求められる。
ブランド体験	梱包資材の指定、サンクスレターなどの同梱物対応、高い梱包品質。

「BtoCの少量・多品種・多頻度」という特性に対応する「小口配送」では、従来のBtoB物流や一般的な宅配便サービスとは異なる、きめ細かな対応が求められます。

なぜ一般の宅配便では不十分なのか

D2C企業が個別で宅配便業者と契約する場合、出荷量が少ない初期段階では割引率が低く、高い送料を負担しがちです。また、梱包・検品・同梱といった「倉庫内作業」は自社で手配する必要があり、これが大きな負担となります。

 

D2C事業拡大を阻む！　小口配送でつまずきやすい3つの課題

D2Cの成長過程で多くの企業が直面する物流の課題は、大きく分けて次の三つです。

配送コストが高い

初期のD2C企業は出荷量が月数百個程度に留まることが多く、大手物流会社との送料交渉力に限界があります。荷物が小口化するとトラック1台あたりの積載効率が低下するので、個々の送料単価が割高になりがちです。また、個人宅への配送（ラストワンマイル）は手間がかかるうえ、再配達も発生しやすいので物流費用全体を圧迫します。結果として、一つあたりの配送コストが高止まりし、商品の利益率を圧迫してしまいます。

オペレーションの煩雑化

D2Cは定番商品に加えて限定商品や予約商品、サイズ違い、カラー違いなど、SKUが非常に多くなりがちです。これにより、自社倉庫でのピッキングミスや在庫差異が発生しやすくなり、顧客クレームや機会損失に直結します。また、梱包材の色やメッセージカードの同梱、リボンかけ、特別なラッピングなど、ブランドの世界観を表現するための「流通加工」も非常に重要です。これらは一つひとつ手作業で行うことが多く、作業時間がかかるうえミスのリスクも高まります。急な注文件数増加時には、この手間のかかる作業がボトルネックになりやすいのです。

物流波動への対応

SNSでのバズりや、キャンペーン実施、新商品発売などの影響で、注文が一時的に急増する「物流の波動」が発生しやすいのもD2Cの特徴です。自社で物流を担っている場合、急な波動に対応するための倉庫スペースや人員の確保が難しく、機会損失や配送遅延、顧客満足度の低下に直結します。D2Cにとって届いた時の感動（Unboxing Experience）は、ブランドのファン化に不可欠です。しかし、繁忙期や出荷量増加時に、自社作業では梱包が雑になったり、同梱物を入れ忘れたりといった品質のバラつきが生じてしまうと、ブランドイメージを損なうリスクがあります。

 

課題を解決する法人向け小口配送システム

これらの課題は、法人向け小口配送を行っているプロの物流パートナーに委託することで、劇的に解決することができます。法人向け小口配送システムを利用するメリットは、多岐にわたります。

コスト効率の改善

膨大な配送量を抱える物流会社では、複数の法人から集約したトラックに小口配送の荷物を載せる「混載便」を利用することができます。これにより、自社単独では実現できない低コストでの配送が可能になります。

作業の標準化・効率化と在庫精度の向上

物流のプロが持つWMS（倉庫管理システム）とノウハウを活用することで、ピッキングや梱包、発送までの全工程が標準化され、作業ミスが激減します。リアルタイムでの在庫精度が向上し、欠品や過剰在庫のリスクも最小限に抑えられます。

顧客体験の向上とブランド力の強化

プロに梱包を委託することで、常に均一で丁寧な梱包品質を保てます。同梱物の正確な封入や、ギフトラッピングなどの付加価値サービスに対応できる体制が整うため、配送を通じて顧客に最高のブランド体験を提供し続けることができます。

 

失敗しない！　小口配送パートナー選定チェックリスト

チェック項目1：小ロット・多品種への対応実績

大量生産・大量配送のBtoB専門業者ではなく、小口・多品種・多頻度というD2Cの特性を理解し、実績を持つ業者を選びましょう。柔軟な作業指示に対応できるか、実際に使っている梱包資材を見せてもらうのも有効です。

チェック項目2：システム連携の柔軟性

「システムに貴社が合わせる」のではなく、「貴社のシステムに物流側が柔軟に対応できる」業者が理想的です。とくに、出荷指示の自動化と在庫のリアルタイム同期が実現できるかはD2C企業にとって重要なチェックポイントです。

チェック項目3：輸送手段の多様性と即応性

平常時の安定した配送に加え、セールやメディア掲載時など、突発的に大量出荷が必要になった際の対応力も重要です。複数の宅配会社との連携や、自社でのチャーター輸送網を持っている業者であれば緊急時も安心です。

 

気になる小口配送の費用相場

D2Cにおける小口配送の費用は主に固定費と変動費に分けられ、特に変動費の大部分を「配送料（運賃）」が占めるのが特徴です

費用の種類	項目	費用の目安（月額/単位）	費用のポイント
固定費	システム利用料	月額1万円～5万円	在庫管理システム（WMS）利用料。出荷量が多いほど高くなる傾向。
	業務管理料	月額 1万円〜3万円	事務手続き、在庫管理全般にかかる費用。
	保管料（坪/棚/パレット）	坪：4,000円〜7,000円/月	倉庫スペース利用料。都市部は高めで、郊外は低め。
変動費	入庫料	10円〜40円/個	納品検品、棚入れ作業。バラ納品よりケース納品のほうが割安。
	ピッキング・検品料	10円〜30円/個	出荷指示に基づき商品を集め、確認する費用。
	梱包料	150円〜400円/個	梱包作業費用。複雑な梱包やギフト対応は割高になる。
	配送料（運賃）	400円〜1,200円/件	**物流費全体の9割近くを占める主要コスト。**サイズ、エリア、契約内容で大きく変動。
オプション費	流通加工費	10円〜数百円/件	メッセージカード同梱、ラッピング、値札付けなど。
	資材代	30円～200円/梱包	断ボール、緩衝材、袋などの実費。

BtoB物流と異なり保管や作業にかかる単価は低いものの、配送料（運賃）が物流費全体を主導する構造となります。

 

D2C特化の小口配送支援もお任せください！

関根エンタープライズは、BtoBの基盤を持つ一方で、小ロット・短期の保管からBtoCのきめ細かな配送まで、幅広いサービスを展開しています。D2C企業の皆様には、特に以下の強みで貢献します！

ニーズに合わせてカスタマイズ可能な物流代行

ネットショップオーナー様の在庫保管・発送代行実績を豊富に持つ当社では、一つひとつの荷物に対する丁寧な作業を徹底しています。物流代行は、検品・梱包のほか、組立やラベル貼り、DM発送など、お客様のニーズに合わせて さまざまな業務の代行が可能です。ブランドの意向を正確に反映した同梱作業や高い品質を保った梱包作業など、D2C企業様が重視する「きめ細かさ」を効率性をもって実現します。

自社チャーター輸送による「緊急対応力」

急なプロモーションや人気爆発による突発的な大量出荷は、D2C成長期には避けられません。当社の強みである自社チャーター輸送（貸切便）ネットワークを活かすことで、通常の宅配便では対応が難しい緊急性の高い集荷・輸送ニーズにも迅速に対応し、販売機会の損失を防ぎます。

柔軟なシステムと物流業務の設計

貴社のECシステムや販売計画に合わせて、最適な作業フローとシステム連携をご提案します。初期投資を抑えつつ、事業の成長に合わせて柔軟に物流システムを拡張できるよう設計するのでご安心ください。

D2Cの物流アウトソーシングは、以下のステップでスムーズに開始いただけます。

1. 1. 1. 　初期ヒアリング・課題の明確化:
      1. 貴社の現状の出荷量、SKU数、主要な配送エリア、そして最も解決したい物流課題（例：コスト、梱包品質）をお伺いします。
   2. 2.　最適なソリューション提案・お見積もり:
      1. ヒアリング内容に基づき、当社のWMSと連携する最適なプラン、必要な流通加工業務、詳細な料金体系をご提示します。
   3. 3.　システム連携・トライアル:
      1. 貴社のECカートと当社のWMSを連携させ、トライアル期間を経て、本格的な運用を開始します。

D2C事業を成功に導くには、法人向け小口配送システムを導入し、物流を最適化することが欠かせません。まずは貴社の配送課題について、お気軽にご相談ください。関根エンタープライズは、貴社のD2C事業拡大を物流の側面から力強く支援いたします。