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オンラインショップ運営者必見! 「EC物流」とは? 課題と解決策を徹底解説 | 関根エンタープライズグループ

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2025.07.30

EC市場が飛躍的な成長を続けるなか、オンラインショップ運営者にとって商品力やマーケティング戦略と同じくらい重要になってきているのが「物流」に関する課題です。EC物流は単に商品を届けるだけでなく、顧客体験(CX)に直結するためビジネスを成功させるための重要なカギを握っています。

この記事では、EC物流とは何かという基本から、EC事業者が直面しがちな課題や、それらを解決するための具体的な戦略までを徹底的に解説します。

EC物流とは?

EC物流とは、ECサイトで注文された商品を個人のお客様(消費者)へ直接届けるための在庫管理から発送、返品対応までの一連の業務を指します。インターネットでの買い物が私たちの生活に深く根付くと共に消費者が求めるニーズは多様化しており、「早く届くこと」「梱包が丁寧であること」「返品がスムーズであること」といった、購入後のサービス品質にも高い期待が寄せられています。

このような状況で、ECにおける「物流」とは単なる商品の移動手段ではありません。商品の注文から顧客の手元に届くまでのプロセス全体が、顧客の満足度やブランドイメージを大きく左右する重要な要素になっているのです。たとえどんなに良い商品でも、物流に問題があれば顧客は離れていってしまいます。だからこそ、EC物流の特性と課題を知り、対策することが大切なのです。

EC物流の特徴

一般的な企業間取引(BtoB)の物流とEC物流では、いくつか大きな違いがあります。

EC物流(BtoC) 一般的な物流(BtoB)
納品先 個人のお客様(全国多数) 企業(特定の拠点)
出荷単位 1点~少量の個包装 大量ロット、ケース単位、パレット単位
商品種類 多品種少量 比較的少品種多量
梱包 丁寧さ、開封体験重視 輸送中の破損防止優先
情報連携 注文・発送状況のリアルタイム連携 決められた時間での一括連携
返品対応 頻繁に発生し、重要なプロセス 比較的少ない


EC物流では、多品種少量をスピーディかつ正確に、そして個別に丁寧に対応することが求められます
。この特性が、EC物流特有の複雑性と課題を生み出しています。

EC物流の業務フロー(注文から商品到着まで)

EC物流業務フロー イメージ画像

EC物流は、注文を受けてから商品がお客様の手元に届くまで、複数のプロセスで構成されています。

①受発注処理

ECサイトに入った注文情報を、倉庫管理システム(WMS)や販売管理システムに連携させるプロセスです。ここでの正確な情報連携が後の作業の基盤となります。

②入荷・検品

メーカーや仕入れ先から届いた商品を倉庫に受け入れ、数量や品質が正しいかを確認する作業です。破損や誤品がないかを厳しくチェックします。

③保管

入荷した商品を倉庫内の決められた場所に保管します。商品のサイズ、形状、保管条件(常温、冷蔵など)に応じて最適なロケーションに配置することが重要です。

④ピッキング・梱包

お客様からの注文に応じて、保管場所から指定の商品を選び取る作業(ピッキング)と、商品を破損なく安全に届けるために緩衝材などを使って箱に詰める作業(梱包)です。とくにECでは、梱包の丁寧さが顧客体験に直結します。

⑤出荷・発送

梱包された商品に送り状を貼り付け、配送業者に引き渡す作業です。配送業者との連携がスムーズであるほど、お客様への迅速な配送が可能になります。

⑥追跡・情報連携

商品が発送されてからお客様の手元に届くまでの配送状況を追跡し、お客様に情報を提供します。これにより、お客様は安心して商品の到着を待つことができます。

⑦返品・交換対応

お客様からの返品や交換依頼があった際の商品受付、検品、返金処理、再発送などを行うプロセスです。ECでは試着やイメージ違いによる返品が多いため、ここでの対応も顧客満足度を大きく左右します。

上記の中でも、ピッキング・梱包、出荷・発送、そして返品・交換対応は、お客様との接点が多いため顧客満足度に直結する重要なポイントです。これらの業務をいかに効率的かつ高品質に行えるかが、EC事業の成功を大きく左右すると言っても過言ではありません。

EC物流が抱える「5大課題」

EC物流では、多くの事業者が直面する共通の課題を抱えています。

在庫管理の最適化

ECでは多品種少量の注文が一般的です。同じ商品でも色やサイズの違いがあれば、それぞれを個別の商品(SKU:Stock Keeping Unit、最小在庫管理単位)として管理する必要があります。扱う商品が増えるほど、管理すべきSKUが膨大になり、一つひとつの商品の在庫状況を正確に把握するのが困難になります。また、売れ残る「死蔵在庫」や発注しすぎによる「過剰在庫」のリスクも高くなります。 これらは保管スペースを圧迫し、キャッシュフローを悪化させることにも繋がります。

リアルタイムで在庫を把握することが難しいという点も、ECならではの課題です。 ECサイトの表示在庫と実際の在庫にズレが生じると、欠品によるキャンセルや在庫があるのに販売できないといった販売機会の損失にも繋がります。

倉庫作業の効率化と人手不足

ECの特性上、個別の顧客への発送作業が多くなります。多様な商品を個別にピッキングして破損しないよう丁寧に梱包するには、どうしても人の手が必要です。手作業に頼ることで手間と時間がかかるうえ、ヒューマンエラーも発生しやすくなるのが課題です

さらに、人材確保のハードルもあります。とくに年末年始商戦やブラックフライデーなど、一時的に物量が増える際には通常の体制では対応しきれなくなることがあります。注文が集中する特定の時期の短期的な人員確保も大きな課題です

輸配送コストの高騰と品質維持

輸配送にかかるコストの高騰も見逃せません。物流業界全体でドライバー不足が深刻化しているうえ、燃料費の高騰も相まって配送業者に支払う運賃は年々上昇傾向にあります。また、個別の顧客宅への配送(ラストワンマイル配送)は効率が悪く、コストがかかりがちです。

地方への配送など、エリアによっては配送日数がかかったり、サービス品質に差が出たりする可能性があります。そのため全国への配送品質を均一に保つ工夫が必要です

返品・交換対応の煩雑さ

ECでは、実際に商品を見て触れることができないため、試着後の返品やイメージ違いによる返品が実店舗よりも発生しやすくなります。返品された商品の受付や開封、検品、システムへの戻し入れ、場合によってはクリーニングや補修など、一連の処理には大きな手間とコストがかかります。最悪の場合は、廃棄せざるを得ないケースも想定しておく必要があります。また、返品プロセスが煩雑な場合、お客様の不満に繋がり、リピート購入を妨げる要因となることもあります。

システム連携の課題とデータ活用

EC事業では、ECサイトのカートシステムのほか、倉庫管理システム(WMS)や運送会社のシステムなど、複数のシステムが使われます。それぞれのシステムが独立していると、手作業でのデータ入力や情報転記が発生し、ヒューマンエラーの原因となったり、リアルタイムでの情報共有が阻害されたりする可能性があります。また、各システムに散在する販売データや在庫データ、物流データを一元的に管理・分析できないため、全体最適化や経営判断にデータを活かせないという課題があります。

EC物流の課題を解決する具体的な戦略

これらの課題を克服し、EC物流を最適化するための具体的な戦略は次の通りです。

WMS(倉庫管理システム)の導入

WMS(Warehouse Management System)とは、倉庫内の在庫状況や作業プロセスを管理・最適化するためのシステムです。SKUごとに正確な在庫数をリアルタイムで把握してECサイトと連携することで欠品や過剰販売を防いだり、どの商品が倉庫のどこにあるかを正確に管理し、注文情報に基づいて効率的なピッキングルートを指示したり、出荷する商品を正確に検品して誤出荷を防いだりするのに役立ちます。WMSを導入することで手作業によるミスを減らし、倉庫全体の作業効率と精度を飛躍的に向上させることができます

倉庫自動化・省力化の推進

人手不足が深刻化する中で、倉庫作業の自動化・省力化は不可欠です。商品の入出庫や保管を自動で行う「自動倉庫システム」や、倉庫内で商品を自動で運搬するロボット「AGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)」などを導入して、作業の効率化や倉庫の省スペース化を目指しましょう。AIを活用したロボットピッキングや、自動で箱詰めやテープ貼りを行う梱包機の導入も作業のスピードアップと品質の均一化が図れます。

大規模な投資が難しい場合でも、デジタルピッキングシステム(DPS)やデジタルアソートシステム(DAS)など、比較的導入しやすい設備から検討することで段階的に効率化を進めることができます。

配送網の最適化とコスト削減策

高騰する輸送コストを抑えつつ、顧客に安定した配送品質を提供するための工夫も必要です。同じエリアへの配送をまとめる共同配送や、効率的な配送ルートを策定するシステムを導入することで、積載効率を高め走行距離を削減できます。

返品プロセスの効率化

返品を完全にゼロにすることは難しいですが、返品プロセスを効率化し、顧客にとってストレスのない体験を提供することで、顧客満足度を向上してリピート購入に繋げることが可能です。まずはECサイト上で返品・交換の条件や手順を分かりやすく明示することで、顧客の疑問を解消し、問い合わせ対応の手間を減らします。さらに返品受付を専門のシステムやフォームで使うことで、情報の一元管理とスムーズな処理が可能になります。また、返品された商品の理由をデータとして蓄積・分析し、商品開発やサイトの情報改善、マーケティング施策に活かせば将来的な返品率の低減に繋げることもできるでしょう。

EC物流成功の鍵を握る「物流アウトソーシング(3PL)」

物流アウトソーシング イメージ画像 関根エンタープライズ

自社でこれらの課題を全て解決するには、多大な投資と専門知識が必要となります。そこで有効な選択肢となるのが「物流アウトソーシング」です。物流アウトソーシングとは、物流業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することです。とくに単なる運送だけでなく、在庫管理やピッキング、梱包、発送、返品対応といった物流業務全般を包括的に委託する場合を「3PL(Third Party Logistics)」と呼びます。3PL事業者は物流に関する専門知識やノウハウ、設備を豊富に持っているため、安心して物流業務を任せることができます

EC物流業務をまるっと委託できる「物流代行サービス」について、詳しい内容や導入のメリット&デメリットについて解説した記事もあるので、ぜひあわせてチェックしてください。

▶【EC事業者必見】物流代行サービスとは? 内容&メリットデメリットを紹介

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EC市場が成長し続ける中で、物流はEC事業の競争力を左右する重要な要素となっています。在庫管理の複雑化や人手不足、コスト高騰、返品対応、システム連携といった多岐にわたる課題を克服するためには、物流アウトソーシングを積極的に活用することも賢明な選択肢の一つです。物流に関する実績と知見を多く持つ当社なら、貴社のEC物流の現状を見直し、最適な解決策を見つけるお手伝いができます! ぜひお気軽にご相談ください。

 

 


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