小型のクレーンを装備し、資材を吊り上げて移動させるユニック車は、建設現場や工事現場などさまざまな場面で見かけます。

では一体、実際にどのくらいの重さを吊り上げることができるのでしょうか。
ユニック車の種類によって吊り上げ荷重が異なるため、用途や目的に合わせたタイプを選ばなければいけません。

今回はユニック車の吊り上げ荷重について解説したいと思います。

ユニック車の吊り上げ荷重とは

トラックにクレーンを搭載し、トラッククレーンの一種であるユニック車。
荷台に荷物を積載するだけでなく、クレーンを使って重い物を持ち運ぶこともできます。

よく耳にする「吊り上げ荷重」は、そのクレーンがどれだけ重い物を持ち上げることができるのか、最大の荷重の数値を指します。別名、「吊りトン」とも呼ばれることも。

ただし、この吊り上げ荷重はフックなどの吊具の重さも含まれたものになるので注意を。
吊り上げ荷重が 2.63t の場合、フックなどの重さも含んだうえで 2.63t までを吊り上げることができる、ということになります。

ユニック車の吊り上げ荷重に関わる用語

ユニック車を扱う際、吊り上げ荷重についての知識は必ず理解しておかねばなりません。
ここでは吊り上げ荷重に関する、さまざまな用語を解説いたします。

ブーム

ユニック車の特徴ともいえるクレーンの竿の部部分を「ブーム」と呼びます。
法令などでは「ジブ」と表現されますが、メーカーやユーザーはブームと呼ぶことの方が一般的です。

ブームの長さもユニック車の種類によって違い、3段ブーム、4段ブームなど様々なタイプがあります。

定格荷重

定格荷重は吊り上げ荷重は違い、フックなどの吊り具の重さを差し引いた荷重になります。
クレーンの傾斜角やジブの長さの組み合わせによって決まります。

作業を行う際は、必ずクレーン本体に張り付いている空車時定格総荷重に基づいて作業をしなければいけません。

アウトリガー

ユニック車が転倒しないよう、車体から脚のよう張り出す装置のこと。
アウトリガーがあることで好きな傾斜角度に車体を傾けることができ、しっかりと固定されているので安定したクレーン作業を行うことができます。

また、アウトリガーには「リアアウトリガー」、「差し違いアウトリガー」、「ハイアウトリガー」の3種類があり、これらのタイプのユニック車を総称してハイアウトリガー型と呼ばれています。

種類別に見るユニック車の吊り上げ荷重

ユニック車の種類によって吊り上げ荷重が異なることを上記で説明しましたが、ここでは種類別にどれくらいの吊り上げなのかご紹介したいと思います。

なお、現場でクレーンを操縦する際、吊り上げる荷物の重さによって免許が必要な場合も。
吊り上げ重荷が 0.5t〜1t 未満の場合は「小型移動式クレーン運転技能講習」を、吊り上げ重荷が 1t 以上 5t 未満の場合の場合は「小型移動式クレーン技能講習」を受けることが義務付けられています。

吊り上げ重荷が5t以上になると、「移動式クレーン運転士免許」の資格が必要になります。
免許や資格については過去の記事、「ユニック車の運転に必要な免許や資格とは？」で詳しくご紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

2tユニック車の吊り上げ荷重

【吊り上げ荷重】2.2t～2.6t

小型といわれているタイプの2tユニック車。
車両総重量は 5t 未満、最大積載量は 2〜3t。
コンパクトな車体やクレーンで小回りも利き、戸建て住宅の建設現場などで活躍する場面が多く見られます。

4tユニック車の吊り上げ荷重

【吊り上げ荷重】2.63t～2.93t

出番の多い中型サイズの 4t トラックにクレーンをのせたタイプ。
車両総重量は 8t 未満、最大積載量は 3〜5t。
戸建て住宅の建設現場などはもちろん、土木･建築業界や造園、水道業界などさまざまな現場で活躍しています。

6t、7t、8tユニック車の吊り上げ荷重

【吊り上げ荷重】2.63t～2.93t

「増しトン」と呼ばれるカテゴリーに属するこちらのユニック車たち。
車両総重量は 15t 未満、最大積載量 6.5～8t。
鉄やコンクリートといった重い建材の運搬が必要な工事現場や建設現場も対応が可能です。

10tユニック車の吊り上げ荷重

【吊り上げ荷重】2.63t～2.93t

大型トラックにクレーンを搭載した10tユニック車。
車両総重量 20～25t 未満、最大積載量 10t。
ビル、マンションなどの大型現場で活用されています。

全国で総合物流サービスを提供する関根エンタープライズグループ

関根エンタープライズグループは、各サービスに専門特化した6社の会社で構成され、幹線輸送をはじめ、ユニック輸送・共同配送など、あらゆる輸送形態に対応する総合物流会社です。
埼玉と大阪に物流倉庫を有しているほか、全国各地に拠点を保有。
お客様満足度日本一を目指し、お客様のニーズにお応えできるサービスを提供しています。

配送だけでなく倉庫での保管や各現場での実作業など、お困りごとがありましたら、まずはお気軽にご連絡ください。