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物流品質の目標設定とそのポイント|具体例や取り組み内容は? | 関根エンタープライズグループ

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2023.01.25

物流品質の目標設定とそのポイント

物流品質の向上を目指すためには、自社の物流サービスに合った目標設定が欠かせません。

そこで今回は、品質目標を設定する際に押さえておきたいポイントと、目標達成に向けた取り組みについて、具体例を交えながらご紹介します。

「なぜかミスやクレームが頻発している」
「人手が足りなくて現場がまわっていない」
「離職率が高くて困っている」

とお困りの方は、ぜひ参考にご覧ください。

関連記事:物流品質の基礎知識!品質向上への取り組みや管理方法について解説

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物流における品質目標とは?

物流における品質目標とは、物流サービスのレベルを一定に維持したり、改善したりする際の指標となるもので、主に数値として設定・管理されます。

数値は各会社が独自で設定することが一般的ですので、例えば「物流A社の数値は5で、物流B社は10だから、物流B社の方が品質レベルが高い」といったものではなく、あくまで社内独自のルールで活用されるものとなっています。

物流の機能

物流は「配送・保管・荷役・包装・流通加工」の5つの機能から成り立っており、これらは5大機能と呼ばれています。近年では物流を管理する様々なシステムの登場によって、6つ目の機能「情報」も新たに加わりました。

物流の品質目標は、これらの各機能に合わせて設定すべき項目もあれば、全体を通して設定すべき項目もあります。

例えば、「ネット通販で服を購入したら針が入っていた」といったケースが頻発する場合は梱包や流通加工での品質レベルが低下している可能性がありますし、「頼んでいた荷物が届かない」といったミスが多発しているのであれば、物流機能全体の品質レベルが低下している可能性があります。

物流品質や物流の各機能については「物流品質の基礎知識!品質向上への取り組みや管理方法について解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

物流品質の数値は「PPM」で管理

物流の品質目標は、100万分の1を表す「PPM(Parts Per Million)」という単位が使用されることが一般的です。

例えば、100万件配送したうち1件でミスが発生した場合は1ppm、10件でミスが発生した場合は10ppmとなります。

つまり、PPMの値は数字が小さければ小さいほど優秀であり、数字が多くなるほどそれだけミスした件数が多いことを意味します。

物流品質の数値については「物流品質の指標「PPM」とは?基礎知識・算出方法・注意点について」で詳しく解説しています。

物流品質の向上に欠かせない目標と設定する際のポイント

物流品質の向上に欠かせない目標と設定する際のポイント

物流品質の向上を目指すには、どのような目標を立てるべきでしょうか。

まず、物流品質の目標を設定するにあたって知っておきたいのが「QCD」という考え方(フレームワーク)です。

  • Q:クオリティ(Quality)
  • C:コスト(Cost)
  • D:納期(Delivery)

QCDは生産管理が必要な業界すべてに共通するもので、特に物流サービスの品質に影響しやすいのがQのクオリティ(商品の価値を維持すること)とDの納期(時間を守ること)だとされています。

ここではQCDの要素を踏まえながら、物流品質の向上を目指すための目標を具体例と併せてご紹介していきます。

目標①:時間管理の強化

物流品質の向上を目指すための目標1つ目が「時間管理の強化」です。具体的には、納期遵守率や出荷遅延率、時間指定違反率といった数値で、目標が達成できているかを管理します。

【納期の目標例】

  • 指定日・指定日時を守れているか
  • 予定通り出荷できているか
  • 梱包や流通加工の納期は守れているか

物流は各機能のどこか1つでも納期が遅れてしまうとその後の工程に影響を及ぼすため、特に最重視される目標です。

目標②:商品自体の品質維持

物流品質の向上を目指すための目標2つ目が「商品自体の品質維持」です。具体的には、保管効率や汚破損率、在庫回転率、クレーム発生率といった数値で、目標が達成できているかを管理します。

【商品品質維持の目標例】

  • 商品の賞味期限や鮮度が適正か
  • 商品が変形・変質していないか
  • 商品に破損や汚れが発生していないか
  • 商品に合った梱包や荷役が採用されているか
  • 商品は丁寧に扱われているか

配送前に品質の低下が認められるケースもあれば、何らかの衝撃で内部部品が破損してしまい、お客様が実際に商品を利用してはじめてわかるケースもあります。いずれにしても、「どの時点でどのような作業やチェックが行われているか」を記録しておくことが大切です。

目標③:作業ミスの防止

物流品質の向上を目指すための目標3つ目が「作業ミスの防止」です。具体的には、人時生産性や棚卸差異率、実働率、クレーム発生率といった数値で、目標が達成できているかを管理します。

【作業ミス防止の目標例】

  • ピッキング作業が正しく行われているか
  • 配送先が間違っていないか
  • 労働時間・労働量は適正か

EC(電子商取引)市場の普及により、宅配便の取扱件数は2013年から2018年の5年間で約6.7億個(+18%)も増加しています(※)。これに伴い、多くの物流現場で長時間労働や業務負担の増加が問題視されています。そのため、作業それぞれの効率化を目指すだけでなく、従事するスタッフの労働環境整備も重要な目標だと言えるでしょう。

【出典】物流を取り巻く動向について|国土交通省​​

目標④:事故の防止

物流品質の向上を目指すための目標4つ目が「事故の防止」です。具体的には、実車率や実働率、積載率といった数値を活用し、余裕のある運行計画の目標を立てていきます。

【事故防止の目標例】

  • 交通事故を起こしていないか
  • 事故に繋がる要因を排除できているか
  • 労働時間・労働量は適正か
  • 荷役機械の操作や扱いが正しく行われているか

先ほどお伝えした通り、小口配送の増加に伴って輸送・運送業界も人手不足が発生しています。そのため、ドライバーやスタッフの健康管理・健康サポートも目標設定に組み込むべきだと言えるでしょう。

また、社内で発生したヒヤリ・ハット事例の共有や資格取得の支援なども目標の設定に役立ちます。

目標⑤:顧客対応の向上

物流品質の向上を目指すための目標5つ目が「顧客対応の向上」です。直接顧客とコミュニケーションを取ることが多い配送ドライバーやカスタマーセンター、配送センターでの目標となり、主にクレーム発生率や遅延・時間指定違反率といった数値で管理されます。

【顧客対応に関する目標例】

  • 配送時のマナーは適切か
  • 問い合わせ対応は適切か
  • 指定された配送方法を守っているか
  • 配送日時を守っているか

特にコロナ禍以降は、指定場所に非対面で荷物を配送する置き配指定が増えたことによる新たなトラブルも発生しており、こうしたトラブルを軽減するための目標設定も必要だと言えるでしょう。

目標⑥:管理体制の強化

物流品質で目標設定すべきポイントの6つ目が「管理体制強化」です。管理とは、一定の品質を維持するための活動全般を指します。

【管理体制の目標例】

  • 品質チェック項目は明確か
  • 報告や入力が実施されているか
  • 報告や入力のルールが守れているか

品質のチェック項目が曖昧だったり、報告・入力のルールが統一されていなかったりすると、正しく数値や現状を把握することができません。目標そのものの設定も大切ですが、品質を維持する仕組み作りも重要なのです。

目標⑦:環境問題への取り組み

物流品質の向上を目指すための目標7つ目が「環境問題への取り組み」です。

企業が組織活動するにあたって担うべき社会的責任や、社会的責任を果たす活動を「CSR(corporate social responsibility)」と呼び、日本では企業による不祥事が相次いだ2000年以降から広まりはじめました。さらに2015年には、持続可能な開発目標である「SDGs」が国連サミットで採択され、今やどの企業においても環境問題は軽視できない課題となっています。

【環境問題に対する目標例】

  • プラスチックの利用削減
  • CO2排出量の削減
  • 資源リサイクル制度の導入
  • 再生可能エネルギーの導入

物流業界におけるCSRやSDGsへの取り組みの例として、輸送の効率化や物流施設の省エネ化、共同配送などがあげられます。

物流品質の目標を達成するための取り組み

物流品質の目標を達成するための取り組み

物流品質の目標を達成するために、どのようなことに取り組めば良いのでしょうか。

そこで最後に、物流品質を向上し、各企業で定めた目標を達成するための具体的な取り組みについてご紹介します。

取り組み①:各機能の業務を標準化する

物流が保有する各機能の業務を標準化することは、物流品質の目標を達成するために欠かせない取り組みだと言えます。

標準化とは、誰が担当しても同じ順番・同じ作業・同じ評価基準で作業が行えるようにすることです。例えば、作業内容の簡素化やマニュアル化、物流管理システムの導入は、標準化を目指した取り組みとして有効だと言えるでしょう。

取り組み②:キャリアアップやスキルアップ制度を充実させる

物流品質の目標達成に向けて、キャリアアップやスキルアップの制度を充実させるのも一つの方法です。管理職へのキャリアプランを用意する以外にも、資格取得を支援したり、スタッフをまとめるリーダーや新人教育担当といった立場を設ける方法があります。

とは言え、闇雲に資格取得を支援したり、細かな階級を準備するのではなく、会社が遂行したい目標に沿った方法で、キャリアアップやスキルアッププランを構築することが大切です。

取り組み③:物流アウトソーシングを活用する

今あるリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)だけでは、目標としている物流品質を目指すことが困難な場合は、外部の専門業者に委託する方法も一つのやり方です。

物流業務の一部分を外部に委託することを「物流アウトソーシング」と呼び、例えば「ユニックが突然必要になった」「会社の物流倉庫だけでは限界が来ている」「急な退職で人手が足りない」といった場合でも、物流アウトソーシングを活用すれば品質を落とさずに業務を遂行することができます。

また、物流アウトソーシングでは専門知識の高い業者に依頼することも可能ですので、自社では対応できないような依頼内容でも受けることが可能になります。

物流アウトソーシングについては「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」で詳しく解説しています。

物流品質の向上を目指すために目標設定は不可欠

今回は、物流品質の向上を目指すために押さえたい目標と、目標を遂行するための取り組みについてご紹介しました。

物流と一口に言っても、運ぶモノや運び方は多種多様であり、現場に応じて必要な技術や知識も異なります。

とはいえ、どの現場においてもQCD(商品の品質・コスト・納期)のバランスを考えた目標設定は不可欠であり、また、危険が多い現場では安全品質の高さも求められます。そのためには、ご紹介した業務の標準化やスキルアップ制度・キャリアアップ制度の充実、物流アウトソーシングの活用といった取り組みで、従事するスタッフが働きやすい環境を整えていくことが大切だと言えるでしょう。

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