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『物流の2024年問題』とは?おさえておきたいポイント・問題点・対策まとめ | 関根エンタープライズグループ

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2023.03.01

『物流の2024年問題』とは?おさえておきたいポイント・問題点・対策まとめ

労働者の働く環境を整備するために、2018年より働き方改革関連法が次々と適用されているのですが、2024年より物流の重要な機能の一つであるドライバーの労働時間に上限規制が入ることになりました。

しかし、労働環境が改善されて「助かる!嬉しい!」という声がある一方で、日本経済全体に様々な影響が及ぶと危惧されています。

そんな働き方改革関連法の適用に伴って物流業界に生じる様々な問題や課題をまとめて“物流の2024年問題”と呼んでいます。

そこで本記事では、“物流の2024年問題”とはそもそも何か?というところから、働き方改革関連法でおさえておきたいポイント・問題点・対策方法について、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

"物流の2024年問題"とは?

“物流の2024年問題”について、詳しく見ていきましょう。

近年、雇用の枠にとらわれない働き方を選択する人々が増えてきています。物流業界でも、あえて正規雇用を選ばずにパートタイム労働者や契約社員といった非正規雇用を選んだり、個人事業主として業務委託契約を結んで働く人も少なくないでしょう。

これらの背景から、労働者が多様な働き方を選択できる社会の実現を目指すため、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、働き方改革関連法)※1」が2018年6月に成立、2019年4月に施行されました。

この法律には、時間外労働(残業)の上限規制や賃金の割増、雇用形態による待遇差の撤廃などが盛り込まれています。

すでに多くの企業で適用が開始されているのですが、ドライバー職を含むいくつかの業種・職種のみ施行から適用までに5年間の猶予が設けられており、猶予が撤廃される2024年4月1日から全面適用が開始されます。

これに伴って、物流業界で生じる様々な問題や課題をまとめて“物流の2024年問題”と呼んでいます。

【参考】※1:働き方改革関連法|厚生労働省

【物流の2024年問題】おさえておきたいポイント

働き方改革関連法の適用によって、物流業界はどのように変わるのでしょうか。

“物流の2024年問題”を知る上で、おさえておきたいポイントを3つにまとめました。

①:ドライバーの労働時間に上限規制
②:月60時間を超える時間外労働の賃金引き上げ
③:正規雇用・非正規雇用の待遇差撤廃

それでは見ていきましょう。

ポイント①:ドライバーの労働時間に上限規制

“物流の2024年問題”でおさえておきたいポイントの1つ目が「ドライバーの労働時間に上限規制」が適用されることです。

すでに他の業種や職種では時間外労働に上限規制が適用されているのですが、2024年4月1日からドライバー職を含む猶予期限のあったすべての業種・職種でも上限規制が適用されます。

ただ、ドライバー職の多くは待ち時間が多いという実情から、他の業種・職種が年360時間の上限規制であるのに対して、年960時間と2倍以上のゆとりを持って上限が設定されています。また、休日出勤は時間外労働に含まれず、ひと月あたりの上限規定はありません。

【ドライバーの時間外労働(特別条項付き36協定を締結する場合)】

  • 2024年4月〜年960時間
  • 月に換算すると80時間(ただし、ひと月あたりの上限規定はなし)
  • 休日出勤は時間外労働に含まれない

ちなみに、物流業界のその他の職種(運行管理者/事務職/整備・能職職/倉庫作業職など)は通常の時間外労働の上限と同じ規定となっていますのでご注意ください。

ポイント②:月60時間を超える時間外労働の賃金引き上げ

“物流の2024年問題”でおさえておきたいポイントの2つ目が「月60時間を超える時間外労働の賃金引き上げ」です。

すでに大企業では2010年4月から適用が開始されており、猶予期間が設けられていた中小企業も2023年4月1日から全面適用が開始。1ヶ月60時間を超える時間外労働に対して、割増賃金率が25%から50%に引き上げられます。

1ヶ月あたりの時間外労働 変更前 変更後
60時間以下 25% -
60時間超 25%以上 50%以上

仮にひと月の労働日数を21日だとすると、1日あたりの時間外労働時間が約2時間51分(2.85h)までは25%、それを超えると50%の割増賃金が適用されることになります。

そのため、拘束時間を長めに設定している物流事業者では人件費が大幅に上がる可能性がありますので、上限規制と併せて労働時間の見直しを実施しなければなりません。

詳しくは厚生労働省の資料をご覧ください。

ポイント③:正規雇用・非正規雇用の待遇差撤廃

“物流の2024年問題”でおさえておきたいポイントの3つ目が「正規雇用・非正規雇用の待遇差撤廃」です。同一労働同一賃金の実現に向けた取り組みで、すでに全ての事業者に対して法律の適用が開始されています※1,2。

人手不足を限られた予算内で解消するため、パートタイム労働者(アルバイト)や派遣社員、契約社員といった非正規雇用で従業員を確保している物流企業は少なくありませんが、雇用によって待遇差がある場合は、その差を撤廃する必要があります。また、従業員から待遇差について質問があった際は、理由について説明することが求められます。

そのため、非正規雇用の従業員が多い事業者は、人件費が大幅に上昇する可能性があるでしょう。

なお、同一労働同一賃金に関する詳細は厚生労働省の「同一労働同一賃金特集ページ」をご覧ください。

※1:パートタイム・有期雇用労働法(2021年4月1日より全面施行)
※2:労働者派遣法(2020年4月1日より施行)

【物流の2024年問題】懸念されている3つの問題点

【物流の2024年問題】懸念されている3つの問題点

“物流の2024年問題”では、具体的にどのような問題点が懸念されているのでしょうか。

重要なポイントを以下の3つにまとめてご紹介していきます。

①:売上が減少する可能性
②:ドライバーの収入が減少する可能性
③:運賃や配送料が上昇する可能性

それでは各問題点について見ていきましょう。

物流の2024年問題①:売上が減少する可能性

“物流の2024年問題”で懸念されている問題点の1つ目は「売上が減少する可能性」がある点です。

物流は投入した労働量と売上が直結する業界です。2024年よりドライバーの労働時間が少なくなりますので、それに伴って売上も減少する可能性があるでしょう。

また、上限いっぱいまで労働を許容したとしても、時間外労働が月60時間を超えると人件費が大幅に上がりますし、足りない人材をパートタイムや派遣などで補っても正規雇用と変わらない待遇(基本給・賞与・福利厚生・交通費など)で雇用する必要があります。

そのため、仮に新しい人材を投入して、これまでと同じ労働量が確保できても、同じだけの売上や利益を出せない可能性が出てくるのです。

この問題を解決するには、売上・労働時間・固定費のバランスを考えて、労働環境や運行計画を見直さなければならないでしょう。

物流の2024年問題②:ドライバーの収入が減少する可能性

“物流の2024年問題”で懸念されている問題点の2つ目は「ドライバーの収入が減少する可能性」がある点です。

物流に限らず、残業代ありきで生計を立てている方は少なくありません。そういう方にとって、時間外労働の上限規制は死活問題となります。

加えて、収入が大幅に減り、ドライバーの仕事では生活ができないとなると、転職してしまう可能性も考えられます。

ドライバーが辞めてしまうと、当然ですが労働力を失うことになりますので、会社の売上や利益が低下する恐れがあります。そのため、引き続きドライバーが安心して生活できるように、基本給を見直すなどの配慮が必要でしょう。

なお、ドライバーの労働環境改善については、荷主との協力体制が重要となります。具体的な改善方法については、厚生労働省・国土交通省・公益社団法人全日本トラック協会がとりまとめた「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」が参考になりますので、ぜひご一読ください。

物流の2024年問題③:運賃や配送料が上昇する可能性

“物流の2024年問題”で懸念されている問題点の3つ目は「運賃や配送料が上昇する可能性」がある点です。

物流事業者の売上や、物流業界で働く従業員の収入を守るために、運賃や配送料の値上げでカバーする対策が検討されています。運賃や配送料が値上がりすると、卸売業や小売業に大きな打撃となりますので、商品やサービスの値上げに踏み切ることになるでしょう。

つまり、“物流の2024年問題”は物流業界内部だけの問題ではなく、日本経済にとって大きな影響を及ぼす問題なのです。

“物流の2024年問題”に向けて有効な対策と具体例

 

物流の2024年問題に向けて有効な対策と具体例

最後に、“物流の2024年問題”に向けて有効な対策方法と具体例についてご紹介していきます。

対策①:無駄を削減する
対策②:物流DXを推進する
対策③:物流アウトソーシングを活用する

それでは見ていきましょう。

2024年問題への対策①:無駄を削減する

“物流の2024年問題”の根本的な問題は、労働量の減少と人件費の上昇です。会社と従業員を守っていくには、投入する労働量に対して、生み出せる利益を上げていかなければなりません。

しかし、物流は様々な機能が相互に関連しながら連鎖していくため、発注のミスや管理トラブル、数時間にも及ぶ荷待ちや配送待ちなど、あらゆる無駄が潜んでいます。

生産性を上げていくためには、物流現場で日々頻発しているこれらの無駄をカットしていく必要があるでしょう。

具体策としては、

  • バース(荷物を積み下ろしするスペース)を予約制度にする
  • 入荷・出荷検品にハンディーターミナルを導入する
  • 在庫管理システムを導入する
  • 置き配を積極的に採用する

といった方法があります。

自社内にある無駄を見つけ出し、生産性の向上に努めていきましょう。

2024年問題への対策②:物流DXを推進する

物流DXは、限られた労働量の中で最大限の利益を上げていくために有効な対策です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術(情報技術)を活用してビジネスを変革していく取り組みを指します。つまり物流DXとは、ロボットや情報管理システムなどのIT技術を導入して物流を良い方向へ変えていく取り組みのことです。

【物流DXの事例】

  • 自動で仕分け・ピッキングを行うロボット
  • トラックの状態を自動検知するシステム
  • 配車・運行計画を自動策定するシステム など

このような物流DXの推進により、少ない労働量で大きな利益が創出できるようになるため、売上維持とコストカットの両方が叶えられるようになるでしょう。

なお、物流DXの事例については国土交通省から事例集が配布されています。国土交通省サイトの「物流DXの推進」からダウンロードが可能です。

2024年問題への対策③:物流アウトソーシングを活用する

物流アウトソーシングとは、物流業務の全て及び一部を外部の業者に委託することです。

物流アウトソーシングを利用するメリットには、

  • 人やトラックなどのリソースを新たに確保する必要がない
  • 必要に応じて長期的・単発的に利用できる
  • 専門的な知識や技術を要する物流業務が受注可能になる

といった点があげられます。

トラックドライバーの労働時間に上限規制が入る2024年以降、「繁忙期だけドライバーやトラックが足りない」「長時間の運転が難しくなったため、長距離運送に対応できない」といった問題が懸念されています。

物流アウトソーシングには、物流機能の全てを委託できる3PL(サードパーティーロジスティクス)や、長距離輸送・倉庫管理といった一部の物流機能に特化している物流会社、配送のみを請け負う配送代行会社などがありますので、自社にあった物流アウトソーシングを見つけておくと、いざという時の安心材料になるでしょう。

物流アウトソーシングの詳細は「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」でご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

2024年に備えて物流現場の問題を解決しよう

今回は、“物流の2024年問題”について、概要や対策方法についてご紹介しました。

すでに2024年に向けて対策が進んでいる事業者もいれば、「対策したいけど、日々の業務で手が回らない」「まだ時間があるから大丈夫!」という事業者も多いでしょう。

また、「どのように情報収集すれば良いかわからない」「委託先からの情報に頼り切っている」という方も少なくありません。

労働環境や物流DXなどの新たな取り組みにチャレンジされる際は、情報に偏りが出ないように、複数の情報網を持っておくことが大切だと言えます。

2024年以降に大きな影響を受けないために、早めに対策を講じていきましょう。

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