デバンニング作業とは? やり方・課題点・実施のポイントを紹介 | 関根エンタープライズグループ
2024.02.28
デバンニングとはコンテナから荷物を降ろす作業のことであり、物流の中でも重要な役割を果たします。そのため、よく使われる物流用語の1つです。
この記事では、デバンニング作業の概要、具体的な実施方法、注意すべき課題点、作業を執り行う際のポイントなどについて取り上げます。デバンニング作業の詳細が知りたい方や、よりスムーズな物流を実現させたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
デバンニングとは?
コンテナから荷物を降ろすことをデバンニング(devanning)と呼び、物流の中では欠くことができない作業といえます。作業を1人で行うことはあまりなく、集団で実施することがスタンダードです。場合によっては、言葉を省略して「デバン」と呼ぶことも。
また、デバンニングは大きな負荷がかかる作業であるため、フォークリフトをはじめとした機械を使う場面も見られます。
デバンニングの対義語
デバンニングと反対の意味を持つ言葉が「バンニング(vanning)」です。荷物をコンテナの中に積み入れる作業を指し、荷物が出荷先に届くまでに大きな役割を果たしています。
デバンニングとバンニングに関する説明は、こちらの記事でも触れているのでご確認ください。
関連記事:「物流用語でよく聞く「デバンニング」や「バンニング」とは? | 関根エンタープライズグループ」
デバンニングの作業を進めるやり方
デバンニングの作業は、一般的に以下のような流れで実施されます。
1.到着 | デバンニング実施予定のコンテナが到着する |
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2.環境整備 | 作業時の段差を埋めるため、スロープなどを用意する |
3.コンテナ開梱 | 適切な用具・方法でコンテナを開梱する |
4.コンテナ確認 | 開梱したコンテナの中身および状態をチェックする |
5.荷物の取り出し | コンテナから荷物を降ろす |
6.コンテナ清掃 | 荷物が取り出し終わったら、コンテナ内を清掃する |
7.コンテナ閉め | 清掃完了後のコンテナを閉める |
デバンニングの作業における課題点
デバンニング作業実施の際は、いくつかの課題点が存在します。適切な作業を行うために知っておくべき点を「安全性」と「能率」の2種類に分けて解説するので、参考にしてはいかがでしょうか。
【安全性】商品破損や作業中の事故・熱中症
荷物として扱う商品が破損するおそれがあることは、まず考えられる作業リスクの1つです。高所からの荷物落下や、バランス悪化による荷崩れなどによって、大切な商品に損傷が及ぶかもしれません。
あるいは、作業を担当するスタッフが事故に巻き込まれる可能性もあります。「重い荷物を落下させてしまう」「安全ではない環境下で転倒してしまう」など、事故の種類はさまざまです。場合によっては、スタッフの命を脅かすような状況に陥る可能性もゼロではないでしょう。
また、夏季は高温状態の中での作業も求められます。適切な対策を取らなければ、熱中症を引き起こすことも。
いずれにしても、安全性を意識した作業を執り行う必要があります。
【能率】作業時間や人手不足
デバンニングの作業そのものには、一定の時間がかかるといわれています。なぜなら、商品破損や事故の発生を防ぐために、さまざまな点に気を配って作業を進めなければならないからです。
しかし、作業可能な時間には制限があるので、ただ時間をかけて作業を進めればよいという問題でもありません。長時間にわたる作業を完了させるため、効率よく業務を進める必要があるのです。
これに加えて、厳しい労働環境による人材不足も大きな問題の1つ。少ない労働力できつい作業を行わなければならないため、作業効率を高めることの重要性が感じられるでしょう。
ちなみに、物流業界全体が人材不足に悩んでいるといわれています。より詳しい情報が知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
関連記事:「物流はなぜ人手不足?人が足りない原因と5つの対策方法 | 関根エンタープライズグループ」
【安全性】デバンニングの作業を実施するポイント
デバンニングにおける商品破損や作業中の事故・熱中症などに対応するため、以下のような点に気を付けて取り組みましょう。
作業中のスピーディーな対応
荷物に異常を発見した場合は、すぐ正しい対処方法に取り組むようにしましょう。この時デバンニング作業を継続してしまうと貨物保険が下りなくなる危険性があるため、必ず作業を一時的に休止させることが必要です。
リスクの少ない現場の実現
デバンニング作業が安心して実施できる環境を形成することが、作業中の事故や熱中症を防止します。主な例は以下の通りです。できることから取り組んでいくだけでなく、明確な規則を社内で決めておくといいでしょう。
≪作業中の事故防止≫
- 現場内に段差が生じないようにする
- ヘルメット、安全靴、グローブなどをスタッフに装着させる
≪熱中症防止≫
- 水分補給をコンスタントに行う
- コンテナ内を冷却させる
【能率】デバンニングの作業を実施するポイント
デバンニングに関する作業時間や人手不足を解決するため、下記ポイントの実行をおすすめします。
デバンニング作業のオートメーション
長時間に及びやすいデバンニング作業を効率よく進めるには、業務を自動化するといいでしょう。たとえば業務用ロボットを導入し、コンテナからの積み降ろしを機械やAIに任せることなどが一例です。
人力と比べて安定したパフォーマンスが期待できるうえに、事故発生リスクの低下など安全性の観点でも効果を発揮します。
担当スタッフの人員確保
デバンニング作業を担当するスタッフが増員できれば、スタッフ1人に課される業務負担が低減できます。作業に余裕が生まれ、結果的に能率も高まるでしょう。ただし、必要以上に人員を増やしすぎると業務が滞ってしまうおそれがあるため、適切な人数に抑えることが重要です。
とはいっても、人員を増やすことは簡単なことではありません。そんな時にぜひ取り入れてほしい方法が、「業者にデバンニング作業を委託する」ということです。
デバンニング作業をアウトソースしよう
デバンニングの作業をアウトソースすれば、自社でスタッフを雇用しなくても業務が進められます。専門知識が豊富なスタッフに業務を外注することで、安全かつ能率的な作業が実現できるでしょう。
デバンニングのアウトソースを検討する場合、気になることといえば費用面ではないでしょうか。この記事では、デバンニングを他社に依頼する際の相場などを解説しています。1つの参考としてご覧ください。
関連記事:「物流倉庫の料金って? デバンニングの費用の相場は? | 関根エンタープライズグループ」
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